塩ビの加工なら宮崎製作所
宮崎製作所では、長年の経験とノウハウを活かした塩ビ(PVC)の切削加工をおこなっています。
お客様のご要望に沿って、さまざまな塩ビ製品の切削加工が可能です。
塩ビ(PVC)は耐久性や絶縁性に優れ、さまざまな工業製品に利用される樹脂素材です。
用途に合わせ様々なグレード(耐熱、難燃(FM)、耐衝撃、制電/導電)があります。
塩ビを加工する際には、切削や穴あけ、曲げ、溶接、接着に高い技術が求められます。
宮崎製作所は、迅速かつ高精度な塩ビ加工を提供しており、さまざまなお客様のニーズに応えることが可能です。
この記事では、塩ビ加工の具体的な方法や実績、塩ビの特徴と弱点、加工時の注意点について詳しく解説します。
塩ビの加工方法を紹介
塩ビの代表的な加工方法は、切削、穴あけ、曲げ、溶接、接着の4つです。
これらの加工技術を駆使することで、多様な形状や用途の塩ビ製品が作られています。
ここでは、それぞれの加工方法の特徴や注意点について説明します。
切削
塩ビの切削加工では、ドリルやエンドミルなどの工具を用いて、素材を削りながら目的の形状に仕上げていきます。
切削加工は、高い寸法精度と滑らかな仕上がりが求められる部品製作に適しており、複雑な形状や細部の加工にも対応可能です。
ただし、塩ビは熱に弱いため、切削時には加工速度の抑制や冷却材の使用といった熱対策をおこないます。
また、切削面にバリが発生しやすいので、加工後の仕上げ作業(バリ取り)も重要です。
穴あけ
穴あけ加工は、接合部品の取り付けや通気孔の作成に適した加工方法です。
穴あけではドリルやリーマーといった工具を用いますが、加工時に工具の切れ味と回転数を適切に調整する必要があります。
塩ビに急激な強い力を加えると、割れや欠けが発生しやすいためです。
曲げ
曲げ加工は、塩ビを加熱して柔らかくし、目的の形状に曲げる技術です。
パイプ材やカバー部品などの曲線的な形状の部品製作に適しており、外観の美しさや機能性を高められます。
塩ビは熱で容易に変形させられる反面、温度が高すぎたり加える力が強すぎたりすると、破損することもあります。
そのため、適切な温度管理と緩やかな曲げ操作が重要です。
溶接
溶接加工は、塩ビ同士を接合(溶着)する際に用いる方法です。
溶接機で溶接棒を溶かし付け、接合部分をしっかりと結合させるため、接着よりも高い強度が得られます。
パイプやタンクの製作、シームレスな構造体の製造など、耐水性や気密性が求められる部品を加工するために必要な技術です。
ただし、溶接部分が加熱により劣化しやすいため、高品質な溶接加工には熟練の技術が求められます。
接着
接着加工は塩ビ同士を接合する際に用いる方法で、溶接加工の前段階として行う場合もあります。
接着は専用の接着剤を使用し、注射器で流し込むように塗布します。
この際、正確な位置にワークを置く為にガイドを使用する他、接着材が乾燥するまで(10数秒~20数秒)ワークが動かない様注意が必要です。
加工実績サンプル
塩化ビニール(PVC)
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用途 医療機器
寸法 25×63×100
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用途 医療機器
寸法 24×26×45
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用途 医療機器ー
寸法 30×30×95
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用途 半導体製造装置
寸法 12×15×42/p>
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用途 半導体製造装置
寸法 12×25×30
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用途 半導体製造装置(溶接品)
寸法 18×50×90
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用途 半導体製造装置(溶接品)
寸法 48×50×60.5
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用途 半導体製造装置(溶接品)
寸法 20×28×51
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用途 カバーシール
寸法 8×14×190
耐熱塩化ビニール(HT-PVC)
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用途 ガイド
寸法 9.5×20×205
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用途 ガイド
寸法 9.5×20×189
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用途 パーツ受け
寸法 15×32×68
塩ビ(PVC)とは
塩ビ(polyvinyl chloride/PVC)は、ポリ塩化ビニールとも呼ばれるプラスチック素材の一種で、耐久性や絶縁性、耐薬品性に優れているのが特徴です。
この特徴を活かし、建築資材や機械部品、配管、電気絶縁体、日用品など、幅広い用途で利用されています。
また、加工のしやすさも塩ビの優秀な特性であり、切削、穴あけ、曲げ、溶接といった多様な加工方法に対応可能です。
塩ビには硬質と軟質の2種類があり、用途に応じて適切な選択が求められます。
塩ビの種類
塩ビは、その柔軟性や硬さによって「硬質塩ビ」と「軟質塩ビ」の2つに大別されます。
硬質塩ビが建材や配管といった耐久性が求められる製品に使用される一方、軟質塩ビは柔軟性を必要とするシートやケーブル被覆に適した素材です。
以下、それぞれの特徴を解説します。
硬質塩ビ
硬質塩ビは、高い強度と耐久性を備えたプラスチック素材です。
化学薬品や水分への耐性を持ち、腐食しにくいことから、屋外での使用や工業用途に適しています。
特に、建築資材や配管材、カード類の材料として広く活用されています。
硬質塩ビは寸法安定性が高く、加工後も変形しにくいため、精密さが求められる部品製作にも適した素材です。
その反面、低温下では脆くなる傾向があり、衝撃に弱く割れやすいという欠点もあります。
軟質塩ビ
軟質塩ビは、可塑剤を添加して柔軟性を持たせた合成素材です。
強くしなやかで、電線の被覆材やホース、フィルム、シートなど、柔軟性と耐久性が求められる製品に多く使用されています。
寒冷地でも硬化しにくく、さまざまな気候条件下でも優れた性能を発揮します。
また、柔軟な特性を活かして、曲げや折り曲げ加工がしやすいため、複雑な形状の製品にも対応可能です。
ただし、可塑剤の種類や含有量によっては、長期使用で硬化や劣化が進む場合があります。
塩ビの特徴
塩ビには優れた特徴が複数あり、用途の幅が広い樹脂素材です。
ここでは、塩ビの特徴について詳しく解説します。
価格が安い
塩ビは、他のプラスチック素材に比べて原料価格が安価なため、コストを抑えたい用途に最適です。
生産コストも比較的低く抑えられるため量産効果が高く、建材や日用品などの低価格商品に広く利用されています。
塩ビは再生利用も可能なため、優れたコストパフォーマンスを発揮すると同時に環境負荷の軽減にも貢献しています。
難燃性が高い
塩ビの引火温度は391℃、着火温度は455℃であり、汎用プラスチックの中では燃えにくい性質を持っています。
延焼しにくいことから、住宅用の建材にも最適です。
ただし、耐熱性はそれほど高くなく、高温環境では変形や軟化のリスクがあります。
耐久性に優れる
塩ビには、外部環境にさらされる条件でも長期間使用可能な耐久性があります。
特に耐水性や耐薬品性に優れるため、配管材やタンク、屋外建材などの用途に最適です。
また、塩ビは硬質と軟質の2種類があり、使用する場所や目的に応じて適切な素材を選ぶことで、さらに耐久性を向上させられます。
塩ビは腐食や摩耗にも強いため、定期的なメンテナンスもほとんど必要ありません。
絶縁性がある
塩ビは優れた電気絶縁性を持つ素材で、電線やケーブルの被覆材として広く利用されています。
絶縁性に加えて難燃性にも優れることから、漏電による火災も起こりにくいです。
さらに耐候性が高く、屋外での使用にも適しているため、電力インフラや通信ケーブルなど、多様な用途で使用されています。
塩ビの弱点
塩ビは多くの優れた特性を持つ一方で、いくつかの弱点も存在します。
高温環境や紫外線に対して特に弱く、適切な対策を講じないと劣化や変形の原因となるでしょう。
ここでは、塩ビの代表的な弱点について詳しく解説します。
高温に弱い
塩ビは65〜85℃あたりから、機械的強度が低下して軟化や変形が起きてしまいます。
また、塩ビは熱で分解されると塩化水素ガスを発生する可能性もあるため、火気の近くでの使用には注意が必要です。
添加剤を用いて塩ビの耐熱性を向上させることもできますが、他の素材を検討したほうが性能面で勝る場合があります。
紫外線による劣化
塩ビは紫外線に弱く、日光に長時間さらされると劣化しやすいです。
紫外線によって塩ビの分子構造が破壊され、素材が黄変したり表面が白化したりする現象(紫外線劣化)が発生します。
特に直射日光にさらされる環境では劣化が早まるため、UVカット機能のあるコーティングや遮光シートを活用すると効果的です。
塩ビの用途
塩ビは、さまざまな分野で幅広く活用されており、それぞれの用途で特性を最大限に活かしています。
以下、分野ごとの主な用途を紹介します。
建築分野
塩ビは、耐久性や耐候性が求められる建築資材として広く利用されています。
特に、パイプやサイディング材、窓枠などに使用され、屋外での長期使用にも耐えられる素材です。
塩ビでできた部材は、外部環境にさらされる場所でも優れた性能を発揮し、住宅や商業施設などで活躍しています。
日用品分野
塩ビは柔軟性と耐水性にも優れるため、ホースやレインコート、カーテンなどの製品に最適です。
耐久性と使い勝手の良さから、家庭用品や一般消費財にも幅広く用いられています。
電気・通信分野
優れた電気絶縁性を持つ塩ビは、電線やケーブルの被覆材にも不可欠です。
電気機器や通信機器の安全性に寄与するとともに、信頼性の高い製品作りに貢献しています。
医療分野
塩ビは人体に無害なため、医療機器にも広く利用されています。
輸液セットやチューブ類など、直接人体に接触する製品にも活用できる素材です。
その安全性と機能性の高さから、医療分野で重要な役割を担っています。
塩ビ加工の注意点
塩ビを加工する際には、下記に挙げるような注意点があります。
温度管理
塩ビは高温に弱いため、切削や溶接などの加工時には過熱を防ぐことが重要です。
成形品が熱分解し、焼けが発生することがあります。
換気設備の確保
塩ビは熱分解されると、有害な塩化水素ガスを発生させる可能性があります。作業者の安全のために、換気設備を整えた作業環境が推奨されます。
バリの発生
塩ビは柔らかいため、加工中にバリが発生しやすいです。
仕上げ作業をおこなうことで美観が向上するだけでなく、安全性も確保されます。
紫外線劣化対策
紫外線による塩ビの劣化を防ぐには、加工後の製品が日光に当たらないよう適切に保管するほか、必要に応じてUV吸収剤の使用やUVカット処理をおこなうケースもあります。
